大谷翔平選手のバッティングフォームの特徴と言えばフライングエルボーと圧縮ステップです。
日本では足を大きく上げたりすり足のウェイトシフトがまだ主流ですが、メジャーリーグではこの圧縮ステップの選手が多いかと思います。
さらに踵を浮かすヒールダウン打法は足を上げる打撃フォームと比べてどういうメリットがあるんでしょうか?
バッティングにおける足の役割
多くの人がバッティングで足を上げますが、何のために上げますか?
・タイミングを取るため。
・体重をぶつけるため。
・かっこいいから。
・みんなが上げているから。
という理由でしょうか。
足の上げ方も様々です。
大きく長く上げる人、すり足で小刻みに上げる人。
ステップ幅が大きい人、小さい人。
特に正解があるわけではないので自分のしっくりくる形でいいとは思います。
しかし、この足を上げる行為自体必要のないものだとしたらどうでしょう?
メジャーリーガーは足を大きく上げない
最近よくメジャーリーグの試合を見ます。
特に大谷翔平選手は毎日活躍を期待していますね。
メジャーリーガーと日本人選手を比べると、バッティングフォームが明らかに違いますよね。
昔のイメージでは筋肉隆々の外国人が力任せにバットをブンブン振り回しているという印象でしたが、全然そんなことはありません。
米国のメカニックの研究は日本より進んでおり、みんな効率のいいスイングをしています。
日本のように間違った昔の考え方に執着した指導者もいません。
アメリカの方がよっぽどデータ野球ですもんね。
そんなメジャーリーガーの中で日本人のように足を大きく上げるバッティングフォームの選手があまり見られないんです。
大谷選手もそうですよね。
日本にいたころは大きく足を上げるフォームでした。
メジャーのオープン戦で結果が出ず足を上げることをやめてから成績が上がり始めました。
メジャーの動く球(ムービングファスト)に対応するための対策ということですが、打撃フォームを変えてから打ちまくってましたよね。
実は振り子打法で有名だったイチロー選手もメジャー移籍後のオープン戦で足を上げるのをやめています。
では逆にこの足を上げる行為って意味あったんでしょうか?
足を上げるデメリット
足を上げるメリットとしては体重を乗せてボールにパワーを伝えやすくするということかと思います。
しかしその弊害として目線のブレが起きたり、体重移動の誤差によりスイングのムラができてしまいます。
これではミート力が落ち、結果パワーを出せるポイントでインパクトを迎えられません。
これが足を上げるデメリットです。
その誤差を少なくするためにすり足等動きの少ないステップを取る人もいますが、それでもやはり多少なりとはブレます。
こういった弊害を最大限に減らすとステップをしないという結論に至りますが、それではバッティングフォームとして捻じれや割れを上手くパワーとして落とし込むことができないわけです。
パワーを取るか正確性を取るか…
そこで圧縮ステップというステップにたどり付きました。
圧縮ステップとは?
圧縮ステップとはノーステップに近いステップです。
足を上げたりすり足のようなステップはせずに基本的にはその場で回転する方法です。
ノーステップ打法は日本のプロ野球選手では中田翔選手やT-岡田選手、鈴木誠也選手や角中選手等が実践していました。
現在の大谷翔平選手もこのノーステップに近い形です。
しかし同じノーステップでも遠くに飛ばそうと大きな体重移動を使って打っている選手もいますが、これではせっかくのノーステップのメリットを活かし切れてないのでは?とも思います。
(素人がすいません。)
メジャーリーガーのいわゆるノーステップ打法の大きな違いは体重移動をほとんどしていないという点です。
そうなると力が出せずに筋肉で打っているだけでは?
違います。
圧縮ステップを採用しています。
体重移動をほとんどせずにパワーを内側に圧縮して爆発させるのが圧縮ステップです。
メジャー最強の打者アルバート・プホルス選手の打撃フォームです。
カージナルスにいたころからステップのしかたはほとんど変わってませんね。
その場でクルッと回転しています。
フィンガーグリップをうまく使い、左手首を返さずに打つのが特徴ですね。
本当に理想的です。かっこよすぎ!
ちなみにこの打ち方をヒールダウン打法とも言うそうです。
プホルス選手と大谷選手のステップは似ています。
今はプホルス選手とエンジェルスでチームメイトになったのでヒールダウン打法を参考にしたそうです。
大谷選手はこれに加えてフライングエルボーも採用しているので、より大きな爆発力を得る事ができるのです。
さらに体重移動をほとんどしないので目線はブレずミートも安定します。
まさにいいことづくしですね!
圧縮ステップのやり方
圧縮ステップには体重移動はほとんど必要ありません。
構えの時点で真ん中~やや軸足付近で一定に保ちます。
ステップはその場でつま先を軸に足の裏をピッチャーに向けるような形をとるだけです。
ヒールダウン打法ですね。
軽くステップしたりしてもいいですが、ぼくはこのその場で回転する方法がしっくりきました。
軸はそのままの場所に保ちつつスイングをし、インパクトでややステイバックするくらいでいいでしょう。
とてもシンプルですね。
この場合スイングスピードを生む原動力は軸回転に集中しますで、無理に手首を返さなくても飛距離はかなり伸びていきます。
逆に手首を返すと良い打球はファールになります。
信じられないかもしれませんが軸でコマみたいに回転するだけで柵越え打てるんです、本当に。
ポイントは足を屈曲し内旋すること、膝を内側に捻ることです。
足の裏をピッチャーに向ける意識でOKです。
やや重心を落す方が圧縮できます。軸足の付け根にパワーが溜まるイメージです。
この動作は足を上げるとバランスがとりにくく、着地の瞬間にパワーロスをします。
両足が着地しているからこそしっかり捻ることができ、それがパワーの圧縮に繋がっているのです。
ウェートシフトと違い頭の位置がほとんど移動しませんのでボールを見やすくしっかり引き付ける事ができます。
タイミングをずらされても軸が残っているので対応しやすくなります。
またスイングのムラも少なく、10回スイングしたらほぼ同じ形で10回スイングできます。
自分のイメージと合致しますので色んな対応がしやすくなります。
実践で試してみた結果
ここ数試合この圧縮ステップ&フライングエルボーで打ってます。
まず打席内で考えることが極端に減りました。
足を上げるタイミング、軸足に残して体重移動して、ステップした足からパワーを逃がさないようにして…
こういうことは考える必要ないんです。
ただ単純に足裏をピッチャーに向けてスイングするだけです。(ヒールダウン打法)
気持ちが楽になり、ピッチャーとの勝負に集中できます。
次に打球ですが、打球速度は格段に上がりました。
ウェートシフトよりも全然パワーが出ます。
芯に当てやすいというのもありますが、勢いは明らかに増していますね。
変化球への対応もしやすくなり空振り率が減りました。
今のところメリットしかないですね。
まとめ
大谷選手が実践している圧縮ステップですが、これは多くのメジャーリーガーも実践しているメソッドです。
足を上げて体重移動で打つウェートシフトに比べて軸が安定し頭の位置が一定になるためミートしやすくなります。
やり方は簡単でその場でピッチャーに足の裏を見せるだけです。
膝を内側に捻ることでパワーを圧縮します。
ノーステップのデメリットとしてはパワーが出ないということが挙げられますが、フライングエルボー等と組合すことでパワーの問題は解消できます。
パワーを下げずに打率を上げたい人は是非試してみて下さい。
コメント
とても細かい話かもしれませんが、プホルス選手はえげつないくらいのフィンガーグリップで握っていますよ。
フィンガーグリップと書きたかったのを間違えてパームグリップと書いてました。
ご指摘ありがとうございます!