使い古したボロボロのグローブも手入れしたりメンテナンスをすればまた使えるようになります。
スポーツショップに持って行かなくてもある程度はきれいになります。
どこまで手入れできるか、どこまで復活させることができるか試してみましょう!
見違えますよ♪
軟式グローブはボロボロになりやすい
使い古したボロボロのグローブでも愛着があるからまだ使いたい。
でも復活させることってできるのかな?
野球のグローブは革でできています。
激しいプレーで捕球面だけでなく、背面や内部も劣化していきます。
特に軟式用のグローブは革の質や耐久面では硬式用のグローブに劣りますので劣化は早く、いくらメンテナンスをしていてもボロボロになることもあります。
しかし、グローブは個人でもある程度復活させることができます。
今回はグローブの復活依頼がありましたので、どれくらい復活させることができるか試してみたいと思います。
ボロボログローブ Before
こちらがそのグローブです。
昔懐かしいミズノさんのビューリーグ内野手用です。
かなり昔に知り合いにもらったグローブだそうです。
色落ちがあったり紐が切れていますが、背面や内側はひび割れ等のそこまでダメージはひどくないので、ボロボロですが復活は可能だと思います。
このグローブの持ち主はピッチャーをしておりピッチャーとして使いたいとのことです。
ちなみに今年からピッチャーグローブのルールが変わりました。
少しくらいなら派手にしても問題なくなりましたので、アレンンジして欲しいみたいです。
そして、ボックス型の型をフレックス型に変えて欲しいということでした。
今は親指にしか関節がない状態です。
こっちに関節を付けていきます。
ということで進めていきます。
ウェブや解体
確かに不自然なくらいにボックス型ですね…
なんかおかしいな。ペチャンコですよね。
…
芯がないー!!!
本来ならこういうフェルトの芯が土手部にも詰まっているはずなんですが、除去されていました。
多分前の持ち主が改造したのでしょう。
こりゃ土手部がヘナヘナになってボックス型にしかなりませんよね。
というわけで、芯を食器洗い用のスポンジ(硬め)で作成しつめることにしました。←DIY感
百均ですがこれで十分です。
フレックス型にするためには土手部は硬めにしたほうがいいですからね。
結構重要な場面ですが作業に集中しすぎて写真とるの忘れましたw
しわにならないように紐通し・グリス補填
では新しい革紐を編んで行きます。
今回は通常のグラブピンやグラブニードルではなく、特殊な工具を使用しました。
これめっちゃ楽ですよ!
穴の逆側からピンを突き刺し、紐を引っ掛けて引くだけです。
なるほど簡単にできます。
これはまじでオススメ!
はっきり言って紐通しくらい誰でもできます。
複雑ではないですし、技術も必要ないです。
ぜひチャレンジしてみてください!
そしてピッチャーで使うとのことでしたので、余っていたピッチャー用のウェブ(タータン0)を移植することにしました。
それにともなっていくつか穴を開けました。
パンチで簡単に穴が空きます。
捕球面の裏側にはグリスというノリのような役割のネトネトしたものが入ってますが、これも無くなっていましたので補填しておきました。
グリスが十分にあればしわになりにくく、紐通しもスムーズに進められます。
これも難易度は低めで、簡単にできますよ。
湯もみ型付け、手入れ
紐が編み終わったら湯もみ型付けをします。
今回はフレックス型希望ですので、親指関節はそのままに小指〜中指辺りにガッツリ関節を付けてねじるような型を付けました。
このグローブの持ち主は4スタンス理論でいうつま先型のバランスなんでパワーラインは掌上部にあるはずです。
ボックス型では守りにくいでしょうね。
掴み捕りではなく捻り捕りができるように型を変えます。
そして、色落ちが気になりますので男前シリーズの濃革と、ハタケヤマのグラブワックスを塗り込んで磨きます。
革の色がかなり復活します。
ピカピカのグローブ After
ということで完成です。
関節がここにあるので寝かせた時の形が全然違います。
土手の硬さも復活してます。
比べてみると全然違いますね!
持ち主に返したらとても喜んでもらえました。
グローブをピカピカにするのって楽しいですよ♪
まとめ
ボロボロのグローブでもしっかりメンテナンスすればまた使えるようになります。
スポーツショップに行かなくても自分でできることはあります。
思い出のグローブも今の技術にかかればピカピカに復活することもできるはずですよ!
コメント
見違えるような見事な再生ですね。
ところで、メンテナンス後のグラブは、指部等の芯やグリスの補強がない部分も
革の張り(硬さ)が復活しているように見えますが
これは湯揉みで水分を与えたからですか?もしくは何か別の処理をされているのでしょうか?
宜しければお答えいただければと思います。
Gelさんコメントありがとうございます!
そうですね、指の辺りの硬さはある程度復活してます。
新品の紐を入れたのと、指の間を広くしたのが1番の原因だと思います。
指の間が狭いと他の指に干渉されてヘタってくることもあります。
湯もみでそれをリセットできたのかと思います。
しかしそこまで意識的に直したわけではない部分ですが、お気付きになるとはグローブお好きなんですね!
回答ありがとうございます。
実は、家にも古いグローブがありまして、どうにか復活させてやりたいのですが、全体的に革がヘタっていまして、芯やグリスで補強できない指部の処理をどうしたものかと悩んでいたところ、このブログを見つけたわけです。
型の修正をするにも、湯揉みをすると軟化が進んだグラブが更に柔らかくなってしまうのではないかと気になっていて
使い古したグラブへの湯揉みの影響に関する情報もほとんどないので、教えていただき助かりました。
愛着のあるグローブは長く使いたいですよね。
これまで300以上のグローブを復活させてきました。
結論から言いますと、思っている以上にグローブは復活します。
個人的な感想としては湯もみでお湯に浸けても揉んでない部分がヘタったりすることはほとんどありません。
指がヘタっているのはグリスや革紐の強度が落ちているため、指部分がしっかり固定出来ないのが原因なのかなと思います。
中のフェルトの芯にクセが付いている可能性もありますが、ある程度のものなら改善できるかと思います。
とは言えグローブの型や消耗度はそれぞれで、実際に見てみないとわからない部分もありますので明言はできかねますが…
この記事のグローブは結構な消耗度でしたが、しっかり復活させることができ、持ち主もかなり気に入ってくれています。
7万円以上したジュンケイのオーダーグラブより、復活したこのグローブの方が良いと言ってくれているくらいですw
長くなりましたが、全てではありませんが思っている以上に復活させることは可能だとぼくは思っています。
ぼくでよければいつでも相談に乗りますので気軽にお声かけ下さい!