トップハンドトルクと言う言葉を聞いたことありますか?
フライボール全盛期のMLBではかなり前から主流になっている打ち方です。
外国人打者のパワーの秘密の一つでしょう。
日本人特有のダウンスイングや横振りと真逆のスイングの秘密を考察していきたいと思います。
トップハンドトルクと言うスイングとは?
トップハンドトルクとはバッティングにおける打法の一つで、トップハンド(捕手側の手)で押し込むことでパワーを爆発させる打ち方です。
MLBの選手なんかはこう言ったタイプの選手が多いですね。
対してウェートシフトという打ち方は日本の伝統的な打ち方で、体重移動をすることでパワーを生み出す打ち方です。
トップハンドトルクという打ち方も諸説ありますし、これが正しいというのは簡単に明言することは難しいですので、あくまでこれが正解とかではなくトップハンドトルクの要素がある打ち方と言う感じで捉て下さい。
今回はトップハンドトルクに加え、縦振りの要素も加えた打撃方法について紹介していきたいと思います。
自分なりにトップハンドトルクを意識してスイングを矯正してみました。
バッティングを変えるとしばらくは結果はでないもので覚悟してましたが、早速4安打フェン直2本と手応えありそうです。
これまでの常識とかけ離れた打ち方ですがかなり良さそうなのでまた記事にします。
よかったら見て下さい!
— まこと兄やん@野球ブログ (@makoto_bb721) November 4, 2019
結果から言うと、これまで差し込まれてた詰まってたくらい近いポイントで打った打球が左中間のフェンス上段まで行きました。
かなり打ちやすい打ち方だと思っていますので紹介させてもらいます。
どんな人に向いている打法なのか?
なぜこの打ち方をしてみようと思ったかと言いますと、ぼくには前々から課題としていた2つの問題点があったからです。
まず1つめがよく詰まるという点。
インコースや速球に詰まらされてサードゴロみたいな打球がよくあったのは事実。
始動を早くしようという意識はあるものの、やはりインコースへの苦手意識は取れずにいました。
そしてもう一点が打球角度を上げたかったという点です。
基本的に会心の当たりは低いライナーです。
フライボール革命に見て取れるよう、ゴロではなくフライを打ちたいという気持ちはあるものの、なかなか弾道が上がらない。
弾丸でフェンスを越す打球はなくはないですが、やはりいい角度に強い打球を打ちたいと思っていました。
以上の2点を改善すべく新しい打撃改革に取り組むことを決めて、目を付けたのがトップハンドトルクと言う打ち方です。
この2つの問題点はこれで解決するかと思います。
・良く詰まる人
・弾道を上げたい人
これまでの常識を全て覆す打ち方
まずはじめに感じたのはこれまで学生野球等で教わっていたことは全て逆だったということです。
ダウンスイング、体重移動、手首を返す、体を開かない…等。
一度全て忘れてフラットな状態でインプットするほうがいいかと思います。
今から紹介する打ち方したら必ず監督に怒られます。
草野球だから、自由に打てるからわかった本当の事実なのかな?と思ってます。
ちょっと長いですが、前半で考え方、後半で実際の打ち方について説明していきたいと思います。
最後にちょっとした連続写真も載せていますのでよかったら見て下さい。
バレルゾーンに強い打球を打つのが目的
フライボール革命ではバレルゾーンに強い打球を打つことで、ゴロを打つより効率的に得点することができるとされています。
バレルゾーンとは8°~50°の角度に強い打球を打つことでヒットやホームランになりやすいとされるゾーンです。
要はフライボール革命と言えどただフライを打つのではなく、ライナーからちょっと上くらいの強い打球を打たないと意味がありません。
ちなみにこのバレルゾーンに打球を打つためにはナイキさんのロゴマークのようなややアッパー気味のバットの軌道(スイングパス)を描くのが理想とされています。
このナイキさんのマークを再現するの結構難しいんですよね。
アメリカ人に多い縦振りと日本人に多い横振り
まず意識して欲しいのが、縦振りと横振りです。
日本ではほとんどの打者が横振りです。
そう教えられてきましたからね。
ぼくもそう教えられてきました。
しかし横振りではナイキさんのマークのようなスイングパスを描くのはかなり無理があります。
まず1つ常識を覆すと、バットは横ではなく縦に振りましょう。
体を前傾させてくの字のような状態でスイングすると縦属性のスイングができるようになります。
バットを縦に振ると何が変わる?
縦振りをするとどうなるのか?
バットが縦に当たるって想像しにくいですよね。
まずその前に、横振りの際のインパクトについて考えてみましょう。
横振りでバットとボールが接触する際、どの位置でどう当たるかによって打球は大きく変わります。
例えばインコースを前で打てば引っ張り、アウトコースを引きつけて打てば逆方向への打球となります。
次に上下方向で言うとバットの上側ならフライ、下側ならゴロ。
これが縦に振るとどう変わるのか。
打球方向はバットに当たった場所次第です。
外側なのか内側なのか。
内側なら引っ張り、外側なら逆方向への打球です。
フライとゴロの違いはバットの角度に影響します。
バットが上向きならフライ、下向きならゴロ。
これだけでも縦振りと横振りの違いって大きいですよね。
バレルゾーンに強い打球を飛ばすには?
このスイングはただフライを上げるためではなく、いい角度に強い打球を飛ばすのが目的です。
例えば横振りの場合、いい角度に飛ばすにはどういったインパクトを迎えるのでしょうか?
バットの芯やや上側に当たることで、角度が付きますね。
昔からボールの下にバットを潜り込ませるように打つなんて言います。
普通によくよく考えると、これ実はめちゃくちゃパワーロスしてます。
1番パワーを伝えれるのはボールとバットの芯同士が重なる瞬間(ダウンスイングだとゴロか低いライナーになる)だと思いませんか?
手首返してスイングスピード速めてもロス分が多いと意外とボールって飛びません。
次に縦振りで角度が付くインパクトを考えてみましょう。
バットに角度が付いて、真芯を食っても打球は上がります。
前から見るとこうです。
これはパワーロスがほぼなく、めちゃくちゃ飛距離が出ます。
ダウンスイングスイングでは真芯を食った打球がライナーかゴロになっていましたが、それをそのまま空中に打つようなイメージです。
ちなみにコースによっては縦に入れれないこともありますが、意識として上からバットを入れるイメージだけでOKです。
バックスピンはかけられない?
ダウンスイングの目的の1つとしてバックスピンをかけるというのがあります。
硬式野球ではこのスピンが飛距離に大きく影響があり、バックスピンをかければ柵越えも難しくはありません。
がしかし、それよりもパワーロスを少なく芯を食って打球を上げることの方が打球は飛ぶのです。
特にボールの潰れやすい軟式野球では飛距離を出すならバックスピンより真芯です。
インサイドアウトが簡単にできる
横振りの場合、インサイドアウトが難しくなります。
インサイドアウトとはバットを内側から出すことですが、前腕がある分無理やりインサイドアウトをしようとすると力の入らないスイングになってしまいます。
よく耳の横からバットを出すというあれですね。
縦振りの場合、かなり体に近い位置からバットが出てきますので、インサイドは簡単にできます。
トップハンド側の肩付近からバットが出てくるようなイメージです。
ナイキさんのロゴマークを描きやすい位置ですね。
トップハンドトルクの打ち方
体重移動はいらない
さて縦振りと横振りの違いはなんとなくイメージできたかなと思います。
これからは具体的な打ち方を解説していきたいと思います。
まずはじめに、トップハンドトルクにおいて体重移動はいりません。
多分教えられてきたスイングは足を上げて軸足に体重を乗せて、それを体重移動でボールにぶつけるようにスイングをするような打ち方だと思います。
しかしトップハンドトルクに体重移動はいりません。(二回目)
構えの時点でやや軸足の付け根くらいに重心を置き、その場で回転して打ちます。
それだけで、余裕で飛ばせます。
打席の中で考えることが1つ減りますね。
割れはスクラッチモーションが理想
バッティングにはパワーを生み出す予備動作として割れが必要になります。
従来の横振りでは割れはグリップを後方に引くイメージですが、縦振りは回転軸が違う(前傾している)のでスクラッチモーションやフライングエルボーのような予備動作をするのが理想的です。
背中に付いたハンドルを回すようなイメージで、前肩が下がり後肩が上がるような動作になります。
体は開かせ、脇を開き、バットは下から出す
横振りの基本、体は開かず脇を締め、バットは上から出すの全て真逆をします。
体は開かせて、脇を開き、バットを下から出す。
なんかすごくいけないことをしているような感覚ですね。
しかしこれをするこで、次のフェーズ投球軌道にスイングパスを重ねることができるようになります。
ポイントはボトムハンド(ピッチャー側)の脇は開けてトップハンド(キャッチャー側)の脇は締める事とバットを肩から出すこと。
これにより軸が前傾し、インサイドアウトができるようになります。
ボトムハンドの肘を曲げるとより縦にバットを入れれますのでインコースなんかはそうした方がいいかもしれません。
投球の軌道にスイングパスを合わせる
さて、ここがこのスイングの最も重要なポイントです。
読むの疲れてきましたか?
後少しなのでもう少しお付き合い下さいw
バットの軌道とピッチャーの投げる球の軌道を合わせる。
これができればかなり打てます。
タイミングにかなり幅をもたせることができるので、前で打っても後ろで打っても芯で打てます。
しかし、横振りではスイングパスはどうしてもアウトコース側にはみ出ます。
すると芯で捉えられるポイントはかなり狭くなります。
これにコースを変えられ、変化球を混ぜられるとほぼ点と点で合わせるようなイメージですね。
縦振りにすることでスイングパスと投球の軌道を合わせることができます。
これにより、タイミングが合わずに差し込まれたり少し泳いだとしてもかなり長い区間で芯で捉えることができます。
線で捉えるイメージです。
手首は返さずトップハンドで押し込む
スイングパスに投球軌道を合わせるためには手首は一切返してはいけません。
手首を返さず、トップハンドで押し込みます。
そうすることでスイングパスが地面と平行からややアッパー気味に移動します。
ナイキさんのロゴマークです!
(やっと辿り着きました)
ここで手首を返すとパチモンのナイキになります。
なんとなく手首を返したほうがスイングスピード出るし打球飛ぶような気がすると思うかもしれませんが、実はそうではないんですね。
体の軸回転で捉え、トップハンドで押し込むほうが力は伝わりますし、伸びが違います。
トップハンドトルクと呼ばれる最大の理由ですね。
脱力ではなく力む
バッティングは脱力。
そう言われ続けてきましたが、実はトップハンドトルクに脱力はいりません。
トップハンドで押し込むには…
パワー!(なかやまきんに君風)
もちろん体のキレがなくなるほど力んではいけませんが、横振りの脱力というイメージとは違い、力任せで押し込むスイングの方がボールは飛びます。
フィジカルがバッティングに直結するわけです。
フォロースルーは大きく、片手で行う
フォロースルーは大きく取りましょう。
トップハンドで前方へグッと押し出すので、手首は返さないまま前に大きく。
縦振りなんで自然にハイフィニッシュで終わります。
また、両手フォローより片手フォローの方がより前方へ力はが伝わりますので、片手フォローがオススメです。
そのまま後方まで持ってくるくらいのイメージでOKです。
ちなみに縦振りのフィニッシュは腰が上向きに浮くような感覚があります。
軸足が少しズレるのはこの為なのかもしれませんね。
縦振りは頭が一切動かない
縦振りのメリットとして頭が一切動かないというものがあります。
横振りだとどうしても頭がズレてしまい、それが目線のブレにつながってしまいます。
体重移動がほぼなく、頭を中心に回転する縦振りは本当にボールが見やすいです。
さらにスイングパスが投球軌道と合っているので、かなりボールを引きつけ見極めることができます。
変化球でも最後まで見ていられるようなイメージですね。
最後に連続写真がありますので頭の位置も見て下さいね。
タイミングやコース関係なく同じスイングで打てる
横振りではインコース、アウトコース、高め、低め、ストレート、変化球とそれぞれによって若干打ち方やミートポイントを変える必要があります。
インコースなら前、アウトコースなら後。
高めなら大根切りになります。
ピッチャーがボールをリリースしてピッチトンネルを通過するまでのコンマ数秒で、打つか打たないか、ポイントは前か後ろか…
考えてる時間はありません。
縦振りは全て同じスイング、同じタイミングでOKです。
どのコースに来ても縦にバットを入れるだけなんです。
コースによっては上から入れるのが難しい場合もありますが、上から入れるイメージで結果斜めに入ったとしてもOKです。
インハイの打ち方は?
縦にバットを入れるとなると1番窮屈なインハイが打てないと思うかもしれません。
インハイも同じ打ち方でOKです。
ダウンスイングならインハイが来た時に全然違う大根切りのスイングに切り替えないといけませんが、その必要はありません。
ボトムハンドの脇が開いていればインハイのボールでも上からバットを出すことができます。
それでも窮屈な場合、意識的にステイバックしてボールと距離を取れば打ちやすいですね。
窮屈でも、ポイントが近くても芯で捉えていればボールは飛びますのでインハイでも柵越えは十分狙えます。
まとめ
MLBでは主流のトップハンドトルクという打ち方についての紹介です。
手首を返さずトップハンドで押し込む打ち方ですが、スピードボールに差し込まれたり弾道が上がらない人におすすめの打法です。
バットは縦に入れて軸回転と押し込みで打つ方法は日本で昔からされていた横振りの打ち方とは全然違うので違和感があるかもしれませんが、非常に魅力的なバッティングスタイルだと思います。
決してこれが正解と言うわけではありませんし合う合わないはあると思いますが、自分に合うと思った人やバッティングで悩んでいる人は是非チャレンジしてもらいたいです。
打撃そのものが変わります。
最後に一通りの連続写真を載せておきますので、イメージしてみてください。
コメント
理論的でスイングの動きが伝わってくるような記事、感動しました。
私のイメージ的にはアストロズのグリエル(元横浜)、巨人の坂本選手のバッティングフォームに近いと感じました。
近いうちにぜひ試したいのですが、関東地方の河川敷グラウンドは10月の台風にて年内の使用はほぼ絶望というところばかりです・・・
試合があまりできなくなって悲しい限りです。
いつもコメントありがとうございます。
多くの外国人選手や坂本選手もおそらくこの系統の打ち方をしていると思います。
関東のグラウンドはそんなにひどい状況なんですね。
早く復帰できるといいですね。
野球したいのにできない状況は体に負担がかかりますよねw
是非バッティングセンターや素振り等で一度試してみて下さいね!